母と子ども

幼児教育に関するつぶやき

秋は就学時健診の季節。いろんな「みる」の話。

各市町村から来春就学予定のお子さんに向けて案内が届いていると思う。私立小学校の受験指導をする今、昔していた仕事を思い出す。
就学時健診に向けて、通常学級に入る為に必死にお母さんやお子さんと頑張った事、また就学時健診で初めて引っかかってうろたえるお母さんと向き合った事。


あれから10年以上経っているが、この後者の方の就学時健診に引っかかってしまうお子さんの、何と増えた事か…。
まあ、世の中を見れば、あっちにもこっちにもいるいる!電車の中やスーパー、遊園地やご近所さんに至るまで、子どもも大人も「引っかかる要素」のある人が何と多い事か…。
こういう人や子どもを分類する事は大変失礼ではあるが、こと就学時健診だけに特化して考える場合、「君、ちょっと待った!」と言いたくなる事はこの10年の年月の中で確実に増えていった。


私は幼児教育の専門なので、「君、ちょっと」のお子さんのママに、その傾向をなるべく早い段階で伝え、子育ての仕方を少し変えたり工夫したりするだけで、随分良くなる事をしたいと思っている。そう、医師の診断を受ける程でもない、この軽度発達障がいのお子さんと、そこまでもいっていない超軽度だけど個性的なお子さん、もしかしたら子育てのせいかもしれない、早く正しい指導をすれば治るかもしれないお子さんが、ものすごく多いという事です。
そして、世の若く未熟なママはその事に全く気づいていない事も、ものすごく多いのが現状です。

このまま行くと困るのは、小学校の先生。いやいや、先生は2の次で、1番困るのは本人です!
小学校は人生の根っこを育てる大切なところです。ここから「出ばなを挫く」事になるのは大変かわいそうな事でしょう。だからこそ、幼児教育は、小学校教育よりも、もっともっと重要で、お母さんの養育や子育てには人生がかかっていると言っても過言ではありません。

 

話を戻します。
その就学時健診では一体どういう事をするか?に触れたいと思います。
小学校の就学先としては、子どもの特性や必要な支援の内容によって通級、特別支援級、特別支援学校小学部、通常学級という選択肢があります。
そのどこに行くのがその子にとって1番良いか?を決めるのが就学時健診です。また、学校側もそのようなお子さんが、今年はどれくらいいるのか?を把握して教員の人数を検討したりもします。

お母さん方は体育館で校長先生のお話しを聞いて、その間にお子さん方を、高学年のお兄さんお姉さんが連れて行って健診をします。内容は、身体計測や健康診断は勿論、知的発達の検査も行われます。
一般的に精神発達、言語、情緒の側面から診断します。
精神発達は、初めに、名前や性別、概念の意味を理解しているかを診ます。そして、おはじきや絵カードを使い指示に合わせた行動ができるか?指示が理解できているか?なども診ます。他にも◯や△、渦巻きを真似て描いたり、「違うものはどれ?」などの、質問への受け答えを見たりします。
言語は、音が正確に言葉になっているか、そして発音が不明瞭でないかを確認します。
情緒は、上記の検査最中のお子さんの様子を観察します。
場合によっては、集団知能検査を行う学校もあります。
あと、簡単な面接を行う学校もあります。自己紹介や、出身幼稚園、保育園など簡単なものです。

 

そんな事は5歳6歳になっている年長児なら「楽しかった〜」と、当然軽くこなしてくると思われるかも知れませんが、こういう場面で、少し目立つ行動をするお子さんがいます。それが知的な遅れではなく「情緒」的に問題のあるお子さんです。そして、だいたいの場合、発音が不明瞭な事が多いです。


ここからは専門的な話になるので伏せますが、これは脅しではなくて、お母さん方はこの健診があるもっと前から、赤ちゃんの時から、もっと自分の子どもをよく観察して、自分に今できることは何か?の本質を見据え、様々な情報に惑わされる事なく、この子をどう育てたいかをご夫婦でよく話し合われ、本当に必要な子育てをしてほしいのです。
例えば、大人の都合で子どもを連れ回したり、良かれと思って習い事をやらせ過ぎたり、感情のままに怒ったり(叱るとは違う意味)善悪の判断を教えずわがままに育てたり、何でも買い与えたり…。

 

要するに、就学時健診で初めて引っかかって「まあ!失礼な!」って事にならないように、それまでにしっかり子育てをして、自分の子どもの1番の理解者でいてほしいのです。
「うちの子、大丈夫かな…」と心配し過ぎる事はありませんが、自分のお子さんが、みんなと少し違う事くらいは理解しておきたいものです。


子育ては初めての事ばかりで難しいのです。でも、可愛くて幸せで無償の愛がどんどん生まれる素晴らしい行いです。
お子さんが幼いうちに、しっかりと抱きしめて、母親となった幸せを噛み締めて楽しんで、そして、頭をすっきりさせて客観的に我が子を観察しましょう。


「見る・観る・診る」
いろんな「みる」で。